K・K・K
男性の話は続いていたが、その大半を香は左耳から右耳へ、まるでボーリング場のレーンの上をボールが転がるように聞き流した。
「・・・・でね!香ちゃん、君にお願いがあるんだ。」
急に男性が体を正した。
「どうだろう、香ちゃん。CMに出てみないか。」
男性は本気だった。
「・・・・・・・・・・・。」
(????????????)
突然の申し出に、香は理解するのに時間がかかった。
「返事は今日じゃなくていいから、考えておいて!」
男性は告白し終わった男子のような笑顔でバーを出て行った。
「あれれ、香ちゃんエライ事になったね。」(笑)
マスターがグラスを拭きながら言ってきた。
香は能面づらでマスターを見て、一点を見つめてうなずいた。
(あたしが、CM??、、、?)
(ありえない!!!!!!!)
その日はどうやって家までたどり着いたのか、香は覚えていなかった。
だけど、あの男性の”CMに出てみないか”と言う言葉だけは、何度も頭の中をリピートした。
(まさか、正気とは思えないよ。)
香は、男性が酔っていた事もあり、真に受けないように努めた。
が、それはまぎれもない事実だったと、この後すぐに気付かされた。
男性は次の日、正式に名刺を持ってバーに現れたのだ。
『プロデューサー、渡 孝司。』
名刺の中央にそう書かれていた。
「・・・・でね!香ちゃん、君にお願いがあるんだ。」
急に男性が体を正した。
「どうだろう、香ちゃん。CMに出てみないか。」
男性は本気だった。
「・・・・・・・・・・・。」
(????????????)
突然の申し出に、香は理解するのに時間がかかった。
「返事は今日じゃなくていいから、考えておいて!」
男性は告白し終わった男子のような笑顔でバーを出て行った。
「あれれ、香ちゃんエライ事になったね。」(笑)
マスターがグラスを拭きながら言ってきた。
香は能面づらでマスターを見て、一点を見つめてうなずいた。
(あたしが、CM??、、、?)
(ありえない!!!!!!!)
その日はどうやって家までたどり着いたのか、香は覚えていなかった。
だけど、あの男性の”CMに出てみないか”と言う言葉だけは、何度も頭の中をリピートした。
(まさか、正気とは思えないよ。)
香は、男性が酔っていた事もあり、真に受けないように努めた。
が、それはまぎれもない事実だったと、この後すぐに気付かされた。
男性は次の日、正式に名刺を持ってバーに現れたのだ。
『プロデューサー、渡 孝司。』
名刺の中央にそう書かれていた。