思い出の中の君へ【TABOO】

 その時、同じクラスの女友達が私たちを見て『きゃー、二人きり?』『何の話してるの?』『まさか、告白?』と騒ぎ立てた。


『ただの友達だよ、そんなわけないじゃん!』と言い返した私に、彼は『そうだよね』と悲しそうな顔して微笑む。


『東京で頑張れよ。宿題ためるなよ』って肩を叩かれ、彼は石段を降りていく。

 
 話って、それだけ?

 追いかけて問い詰めたい

 それに、いつもありがとう、って伝えたい。でも友達に冷やかされて、私はその言葉を伝えられず彼を追いかけもしなかった。




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