さよなら初恋の人。
「じゃあ、もう一度言います。ちゃんと聞いておいてくださいよ。
あたしは、井上マキ。16歳です。
貴方も教えてください。」

「はぁ?嫌だし。」

「言ってください。お礼の手紙出したいんで。」

「・・・はぁ?手紙って、あんた馬鹿じゃないの?
お礼は、嫌だ。って言わなかったけ?」

「聞きました。でも、しっかりとお礼をさせてください。」
あたしは、そう彼の目を見て力強く“嫌”とは、言わせない声で言った。

「・・・わかったよ。俺の名前は、
芦屋 タクト。年は、あんたと一緒だ。
こんなんでいい?
あと、手紙はいろいろと困るから、
メールでいいか?」

「は、はい?」

「ケータイ貸せ。」
あたしは、ケータイを出して彼に手渡した。
そして、彼はあたしからケータイを受け取り、
自分の、メールアドレスを入れた。

「これで、たぶん大丈夫だ。
俺は、急いでるからもう行く。」

「あっ、ありがとうございました。」
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