雪のふる夜





「お前、家は?死ぬぞ?」



公園のベンチに一人横たわるそいつに
声をかけると、女は怠そうに顔をもちあげた。




「そんな簡単に死ねんなら、とっくにそうしてる…。」



暗くて顔までよくわからなかったが、女は
渇(カワ)いた笑いを吐いた。




きっと家のことは言いたくないんだろう…








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