この涙に問いかける(TABOO+マラソン)
ランナーの一人、巻下修汰(しゅうた)は私の彼氏である。
そわそわしながら人の流れを目で追っていると、鮮やかな水色の上着に気がついた。
「修汰ー! 頑張れー!」
「せんぱーい! ファイトー!」
後輩と一緒になって必死に声を張り上げたけど、彼は私に気付くことなく目の前を通り過ぎていった。
「早いほうですよね、巻下先輩。さすが元陸上部」
「そうだね」
「あー、ちょっと叫びすぎて喉渇いちゃった。広瀬(ひろせ)先輩もまだみたいだし、そこの自販機で何か買ってきますね」
そわそわしながら人の流れを目で追っていると、鮮やかな水色の上着に気がついた。
「修汰ー! 頑張れー!」
「せんぱーい! ファイトー!」
後輩と一緒になって必死に声を張り上げたけど、彼は私に気付くことなく目の前を通り過ぎていった。
「早いほうですよね、巻下先輩。さすが元陸上部」
「そうだね」
「あー、ちょっと叫びすぎて喉渇いちゃった。広瀬(ひろせ)先輩もまだみたいだし、そこの自販機で何か買ってきますね」