始まりも、終わりも……
「恋愛って結構難しいよね」
酔った勢いで思わずそうため息をつく。
そんな私に伸次郎がきっぱりと口を開いた。
「お前はいつ俺の魅力に気付く訳?」
「は?」
「こんなにいい男が飲み仲間にいるんだから、そりゃ叶わないよなー」
図々しくて、偉そうで、それでいて……あれ?いつもと違う目。
伸次郎がじっと私を見つめる。
やだ、嘘。
本気じゃないよね?
そんな訳ないのに。
だから冗談返しで言ってやる。
「じゃあ次の彼氏になって下さいねー」