明日、あなたが目覚めたら



というか、この人自体がわからない。掴めない。

まあ、わかりたいとも思わないけれど。



「今さら聞くの?」


「真波先輩だって、私に聞かないじゃないですか」


「まあ、俺は知ってるから」


「え?」


「彼氏さんのお見舞い、でしょ?」


「なんで……」



なんで知ってるんですか?

私がそう言う前に、先輩の唇が先に動いて。



「学校の近くで、しかも生徒があんな大きな事故にあったんだから、そりゃ噂もすぐ広まるでしょ。
見てた人もけっこういたみたいだし」



ああ、なるほど……。

確かにその通りだ。
逆に噂が広まらないほうがおかしいか。



「なんだ、本当にストーキングされてるのかと思いました」


「はは、してもいいけど?」



そんな素敵な笑顔でなにを物騒なこと言ってるんだろう、この人は。



「警察にお世話になってもいいのならいくらでもどうぞ」


「うーん、ちぃちゃんをストーキングできるなら別にそれも悪くないかな」


「本当にぶっ飛ばしますよ」


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