明日、あなたが目覚めたら


はぁ〜。


最近、みんな付き合ったりとかしてるみたいだけど……。

私はまだ、“恋”とか“付き合う”とか全然わかんない。



必要外に男子に話しかけられることもなければ、話しかけることもなし。

用がない限り男子となんて滅多に関わらない。


とにかく“恋”とやらに、無縁なんだ。



「あ、そうだ!
聞いてよ、大西くんがねー‼」



友梨は、落ち込んでいたと思えばにこにこ笑いながら惚気はじめた。


……なんで、私にするかな。


友梨は、私が恋なんてまだ早いって言ってるの知ってるのに。


まあ、別にいいんだけどさ。



恋なんてまだまだ先の話、なんて言いながらも、やっぱり私も女子なんだ。


人の恋バナを聞くのは、けっこう楽しいし。



「でねー!
大西くんったら、スポーツテストで学年2位だったの‼ すごくない⁉」


「へー、大西くんってそんなに運動神経いいんだ」



嬉しそうに話す友梨。


大西くんがスポーツできることは知ってたけど、そこまでとは……知らなかった。


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