明日、あなたが目覚めたら
その後に続いて智のお父さんも入ってきて、そしてやっぱり、私を見て目をまん丸くさせた。
二人とも私に気を取られていて、寝たきりでありながらも、すでに智が目を覚ましたことに気づいていないみたいだ。
「どうしたの、何があったの……?」
「……智、が」
「……智?」
私の口からそれを聞いた智のお母さんは、そこでやっと、智に目をやって。
彼が目を覚ましていたことに、ようやく気づいたようだった。
「と、智! 起きたのっ?」
「母さん……」
「よかった、智……! いつの間に……」
その涙声を遮って、彼はまた、一生懸命に震える唇を動かせた。
「……その子、だれ?」
この数分間の間に、もう何度も放たれた残酷なその言葉。
初めてそれを聞いた智のお母さんとお父さんが、ピシリと固まる。
私はもう涙を流すことしかできなくなっていて、シンと静まり返った病室でただ一人しゃくりあげていた。