明日、あなたが目覚めたら



「なんでそんな通常運転なんだ……」


「ん?」


「なんでもないデス。……じゃ、お先に」


「あれ、一緒にかえ……」


「帰りませんよ」



遮って言うと、「えー」と非難の声。



なんで私が先輩と帰らなくちゃいけないんだ。


はあ……。
こういうの、今日だけじゃない。


智と一緒にいるときでも、真波先輩は、そんなのお構いなしにいつもこうやって声をかけてくるから困るんだよね。


まあ智はまったく気にかける様子もないんだけど……。



「あー、帰る方向が違うからか。 そりゃ仕方ないなー」


「……今日は同じです」



病院に、行かなきゃだから。


そんな意味を含めて言うと、絶えずしゃべり続けていた先輩が一瞬だけ静かになった。


あ、まずったな。

私ってばなんであえて気まずくなるようなことを……。


先輩をちらりと見上げると。




「え、なんで?」



あほ丸出しの顔で、そう言った。




「…………」



さ っ し ろ よ ‼


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