明日、あなたが目覚めたら



「智の病院に行くんです‼」


「ああ!」



気まずくなるとかそんなのも忘れて大声で言うと、先輩がぽんっと手をつく。


ああ!じゃない‼
このアホ先輩!

こっちまで気が抜けるわ!



「先輩としゃべってると、ほんっとペース乱されます……!」



私はぷんすか怒っているのに、先輩はそれを聞いて、にこっと笑った。



「そりゃ、よかった」


「そりゃよかった⁉ なにがですか‼」



先輩に会うまでは、緊張して、重苦しい気分だったのに……‼

今じゃ、いつも通……あれ?


それって、悪いことじゃなくないか?
むしろ、いいこと……?



まさか……と思って、そうっと先輩を見上げる。


ぱちりと目があったと思うと、先輩はふっと憎たらしく笑った。



「なに?」


「〜〜っ、なんでもありません‼」



まさか、ね‼

空気を読まないのが得意な真波先輩が、そんな気をつかえるわけないんだから!


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