明日、あなたが目覚めたら
.



「あ、ちぃちゃん。大丈夫?」



目が覚めると、私は保健室の真っ白なベッドの上にいて。

真波先輩が私を心配そうに覗き込んだ。


……はは、最近こういうの多いな。



「軽い熱中症だって」


「そう、ですか……」


「顔真っ赤だったからあせったよ。
もっと早く気づいてあげたらよかったね。ごめんね」


「いえ……私こそ、すみません」



人一倍暑いのが苦手なのに、あんなとこにいたからだよね……。 バカだ、私。



「今、何時ですか……?」


「お昼休み。 ちぃちゃん疲労たまってたのもあったみたいで、グッスリだったよ」


「疲労……」


「ここ最近あんま寝てないんじゃないの、ちぃちゃん」


「寝てないっていうか……」



寝れない、んだけど。


部屋を真っ暗にしても、ベッドに横になっても、目を閉じても。

ごちゃごちゃしたいろんな感情が押し寄せてきて、それと一緒に涙がとどめなく溢れてくる。


泣いて、泣いて、泣いて。

そうして泣き疲れたら、やっと眠ることができるんだ。 ほんの数時間だけ。


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