明日、あなたが目覚めたら



ピシャリというと真波先輩はまた笑う。

やっぱりちぃちゃんは俺のツボだなー、だって。


意味がわからない。

ていうか、やっと笑い終えたのに何また笑っちゃってくれてるんですか。



「はー、笑った笑った」


「そうですね、笑いましたね。 で、なんですか」


「え?」



え?じゃない‼

バカなんですか、この人は!
知ってますけど‼



「あはは、ウソウソ」


「……しょーもないウソつかないでくれませんか」


「うん、そうだな、うん」



何を考えているのか、先輩はうんうんとひとりで頷きはじめて。

私はただ首を傾げながら、その言葉の先を待ち続ける。




「ちぃちゃんは、さ」



視線が、交わる。

その形のいい唇がゆっくりと動いて。



「ちぃちゃんはさ、ズルいよね」



そう言った。



「……は?」


ズルい……?

唐突すぎる言葉に私はぽかんと口を開く。


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