明日、あなたが目覚めたら



「悩んでいるようにみえて、本当はもうそこまで悩んでないでしょ?

ただ怖くて今の状況から動けないから、悩んでいるふりをしてるんだ」



それを言われてやっと、先輩が何のことを話しているのか理解した。

そしてそれと同時に、腹が立った。



「どういう、意味ですか……」


「だからさ、ちぃちゃんは自分で判断して進むのが怖いだけでしょ?」



私を見据えて真波先輩が言う。


その瞳があまりにも真っ直ぐだったから、私は思わず視線を逸らした。



「そんな、こと……っ‼」


「そんなことない? 本当?
図星だったから今俺から目を逸らしたんじゃないの?」


「……っ」



どうして、どうして真波先輩にこんなこと言われられなきゃいけないの……?



「ちぃちゃん、俺の目をみて」


「……やです」


「ちぃちゃん」



コツコツ、と近づいてくる足音。

私はぎゅうっと、かたくかたく目をつむった。


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