明日、あなたが目覚めたら
「悩んでるっていう状況に浸ろうとするなよ。 逃げるなよ。
悩んで悩んで、ほんとはもう答えは出てるんだろ」
そんなはず、は。
「だったら、どうなるかはわからないけれど信じてやりなよ。
泣いて苦しんで悩んだ自分を」
頬に触れるあたたかさに、そっと瞼を持ち上げる。
涙のフィルターの向こうで、困ったように笑う先輩が、私の瞳からこぼれるそれを拭ってくれていた。
「最近、ちぃちゃん泣いてばっかりだ」
「せ、先輩が……っ」
「うん、ごめんね。今は俺が泣かしちゃったね」
でもね、と真波先輩が微笑む。
「ちぃちゃんのことだからわかっちゃうんだ、俺。
だから、放っておけないよ、ごめんね」
おせっかいだね。
そう言った真波先輩は、なぜだか、今にも私と一緒に泣いてしまいそうだった。