明日、あなたが目覚めたら
「ああ……」
まあ、最初はそのつもりだったんだけどなあ……。
うーん、なんていうか。
「無理だって、思ったんですよ」
智と、恋人同士に戻るのは。
そりゃあ、私は……智と恋人同士に戻れるなら戻りたいし、好きになってもらえるように努力だってしたい。
記憶を取り戻させるようなことをしないでまた一から恋人同士になるなら、別に何も問題ないって智のお母さんにも言われたし。
だけど、ふと思ったんだ。
「記憶から消しまうくらい嫌いだった女を、また好きになると思いますか?」
記憶から消してしまうくらいストレスだったということは……相当、でしょ?
それに、何よりも。
「万が一、また付き合えることになったとしても……智はきっと、また私をストレスに感じる日がくるんです」
私がピタリと立ち止まると、真波先輩も私の少し前で立ち止まった。