明日、あなたが目覚めたら
真波先輩に見えないように顔を伏せて、ゆっくり歩き出す。
立ち止まる真波先輩の横を通り過ぎると、真波先輩も私に合わせてゆっくりと歩き出した。
だけどもう、真波先輩が私のとなりに並ぶことはなかった。
空を見上げて、私は小さく口を開く。
「……こんなこと言うくせに、結局 “友達” っていう関係で繋ぎ止めようとする私は、やっぱり自分勝手ですかね……?」
「……ちょっとくらい自分勝手で、いいんだよ」
「そっか……」
きっと、私が顔を見られたくないっていうのわかってくれてるんだね。
ほら、真波先輩はそういう人。
だから私はまた頼ってしまう。
私を素直にさせるのが今いちばん上手なのは、他の誰でもない……真波先輩なのかもしれない。
車輪の音がカラカラ、カラカラと夕日に染まった私たちの間に、静かに響いた。