明日、あなたが目覚めたら



「ねー、これ何気に楽しいんだよ?」


「いつか壊れるよ。 そうなったら弁償しなきゃだけど大丈夫?」


「え、そんなすぐ壊れるかな……」



ふふ。
なんだ、そのショック受けた顔。


あんなにも警戒してたのに、たった少しの時間でこんなにもいろんな表情を見せてくれている。



智が私に見せる表情は、もうほとんど無に等しかったから……こんな風に感情を表に出してくれるのは本当に久しぶりだな。


うん、本当に泣きそうになってきた。

嬉しすぎるよ、こんなの。


きっと、私が “友達” だと思っているからこそだよね。

“彼女の私” だったら、きっとこんな表情はもう見れなかったんだと思う。


だから、正解だよね? この道は。



……と同時に、私以外の前ではやっぱりずっと以前と変わらない彼だったんだな、と思う。

私にだけ、あんな態度だったんだろうな。


少しだけ、複雑な気持ち。


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