明日、あなたが目覚めたら



うーんうーんと私が頭を悩ませていると、となりに立つ佐伯くんが口を開いた。



「オレが送って行きましょうか?」



……え⁉

先生は、一瞬驚いたような表情を見せたけど、すぐに「じゃあ、よろしくしちゃおうかしら」と笑顔を見せて。


佐伯くんは、それに「わかりました」とにっこり笑顔を返した。



「よかったわね、藤江さん」



……いや、確かにありがたいけど!


男子と……ふたりで帰るの⁉

しかも相手は、このキラキラと眩しいくらいの笑顔を放つ佐伯くん。



「じゃあオレ、教室に荷物取って来るから昇降口で待ってて!」


「……うん」



タッタッタっと爽やかに去って行く佐伯くん。


それに比べて……私は!


絶対にいま、無愛想だった……!
それでなくても、元から表情筋固いのにっ‼



「藤江さん」



帰る用意をしながらもそんなことを考えていると、先生が私に話しかけてきた。


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