明日、あなたが目覚めたら



「中園さんに、お礼言っといてね。
荷物、ここまで持ってきてくれたの彼女だから」


「あ、はい」



そっか、友梨が持ってきてくれたんだ。



「それと、佐伯くんにもね。
送ってくれることにもだけど……彼が、ここまであなたを抱えてきてくれたから」


「え……?」


「保健委員ですから、って。
しかも、6時間目終わってからあなたが目を覚ますまで、ずっとここにいてくれたのよ」



私が外せない用があったから頼んだんだけどね、と先生はふふっと笑う。


ここまで、私を抱えてきてくれたの……?
私、絶対に重かったのに。


混乱した頭でぐるぐると考える私に、先生はイタズラっぽく笑って言った。



「まぁ、ただ保険委員だったってだけじゃなさそうよねー?
何とも思ってない女の子にのために、嫌な顔ひとつせず、そこまでしないだろうし」



……え、え、えぇーっ⁉

なにそれ、どういうこと……⁉


先生にそんなことを言われてしまって、さらにパニック状態になった私は、フラフラとしながら昇降口に向かった。



着くと、佐伯くんはまだそこにいなかった。


< 27 / 166 >

この作品をシェア

pagetop