明日、あなたが目覚めたら
「中園さんに、お礼言っといてね。
荷物、ここまで持ってきてくれたの彼女だから」
「あ、はい」
そっか、友梨が持ってきてくれたんだ。
「それと、佐伯くんにもね。
送ってくれることにもだけど……彼が、ここまであなたを抱えてきてくれたから」
「え……?」
「保健委員ですから、って。
しかも、6時間目終わってからあなたが目を覚ますまで、ずっとここにいてくれたのよ」
私が外せない用があったから頼んだんだけどね、と先生はふふっと笑う。
ここまで、私を抱えてきてくれたの……?
私、絶対に重かったのに。
混乱した頭でぐるぐると考える私に、先生はイタズラっぽく笑って言った。
「まぁ、ただ保険委員だったってだけじゃなさそうよねー?
何とも思ってない女の子にのために、嫌な顔ひとつせず、そこまでしないだろうし」
……え、え、えぇーっ⁉
なにそれ、どういうこと……⁉
先生にそんなことを言われてしまって、さらにパニック状態になった私は、フラフラとしながら昇降口に向かった。
着くと、佐伯くんはまだそこにいなかった。