明日、あなたが目覚めたら



静止していたクラスメートたちは、状況を把握すると、面白半分で教室に戻ってきた。



ひゅーひゅー、とはやし立てる男子。

興味深そうに、私の反応を黙って待つ女子。



何を勘違いしたのか、しまいには「照れんなよ、藤江ー」なんて男子のふざけた声。


ケラケラと笑う男子に、女子もクスクスと微かに笑う。


なによこれ。
何の罰ゲームなの。



「……なんで、私なの」



思わず低くなってしまいそうな声を、ぐっと堪える。


一応、聞いてやろうじゃないの。
そこに、あんたの気持ちがあるのかどうか。



「なんでって……うーん?
藤江って、よく見たら美人だし、彼氏いねえじゃん?」



悪びれた様子もなく言う目の前の男。

周りの女子も、数人、さすがにこの最低な回答には顔を歪めた。


相変わらず、男子はヘラヘラしているけれど。



「……へえ」


プチン、なんて擬音語がぴったりだと思った。

なにかが、キレた。



「で、どう? 俺と付き合わ……」


ーーガンッッ‼

その言葉を最後まで言わせるものかと、思いっきり目の前の机を蹴った。


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