明日、あなたが目覚めたら
予想以上に勢いよく倒れた机を見て、少しスッキリする。
「……誰が、アンタみたいな最低なヤツと付き合うか」
もちろん今度こそは、抑えなんて効くはずがなくて。
自分でもびっくりするくらいの低い低い声が出た。
山田を初めとし、その場に茫然と立ち尽くすクラスメートたち。
私はそれを無視して、さっさと帰る用意をする。
そして、山田をギロリと一睨みしてから教室を出た。
廊下を歩く足が、自然と速くなる。
ざまあみろ、あんなふざけたことをするからよ!
本当なら、顔面の一つや二つ殴ってやりたかったくらいなのにっ‼
顔にそんな怒りが滲み出ているのか、人とすれ違うたびにチラリとこっちを見られた。
でも……今はそんなこと気にならなかった。
「……っ」
早く、早く誰もいないところに……。
第二美術室の前に差し掛かり、人影がなくなった。
そこでやっと足が止まる。
じわり、と浮かぶ涙。
それを隠すように、私は廊下の隅にずるずるとしゃがみ込んだ。