明日、あなたが目覚めたら
「……う、っく……」
恋なんて、告白なんて……
自分にはまだまだ関係のないものだと思っていた。
だけど、
初めてされた告白が、こんなに最低なものだなんて。
恥ずかしかった。
腹が立った。
……虚しくなった。
周りは、“それくらい”って言うかしれない。
だけど、それでも……私にとって、恋愛は憧れで。
“特別なんかじゃなくても、いい
いつかは、きっと自分も……”
なんて、心のどこかで期待してた自分がバカみたいに思えた。
「……藤江、さん?」
廊下に小さく反響した声に、ビクリと肩が跳ねる。
「……っ」
……いやだ、だれ?
こんなところ、誰にも見られたくない。
だけど、この場から動くことなんかできなくて。
せめて、この涙を見られるものかと、腕に顔を埋めた。
ーートン、トン……
ゆっくりと、だけど確実に近づいてくる足音。
お願い、来ないで……!
そんな思いも虚しく、ピタリと私のとなりで足音が止まった。
「藤江さん、だよね……?」