明日、あなたが目覚めたら
.



本鈴が鳴りはじめるのとほぼ同時に教室に入った私。


すでに席に着いているクラスメイトたちから視線が送られてくるのは、いつものことでもう慣れっこ。



……のはずなんだけど。




「藤江〜、チャイムが鳴り終わってないから遅刻にはしないけどなー。 もう少し余裕を持って来いよ?」


「……はーい」



いつもよりその視線が痛かったりするのは、きっと昨日のアレのせい、かな。



今日だけはもうちょっと早く来ればよかったかも……

なんて、少し後悔しながら静かに自分の席に着いた。



「千沙、おはよ〜! 今日も絶好調で遅刻ギリギリね!」


「あー、友梨。おはよ」



……絶好調で遅刻ギリギリってなんだ。


担任が前で今日の連絡事項やらなんやらを話しているにも関わらず、後ろの席の友梨はにこにこと私に話しかける。



まあ、みんな、近くの席の人とこそこそ話したり、今日提出の宿題をしていたりしていて、担任の話をしっかり聞いている人なんて本当に少しなんだけどね。



「あ、そういえば千沙」


「んー?」


「昨日、放課後なにかあったの?」


「え」


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