明日、あなたが目覚めたら


「私もう大丈夫だし、サボりたいなあ」


「だめですー。 そんなサボったって後からもっと面倒なだけでしょ?」


「真面目だね、佐伯くん」


「……藤江さんは意外と不真面目」



振り返った佐伯くんの左頬がぷくーと小さく膨れていて、私は可笑しくなって、また笑った。



ーーもっと。
もっと、もっと。


佐伯くんのことを知りたいな。

佐伯くんの色々な表情を見たいな。



そして、いつか。

他には誰も知らない、私だけが知っている佐伯くんを見つけたいな。



「…………」


ーーこの気持ちが何かなんて、もうとっくに気づいてしまっている。


勇気がなくて気づかないふりをしていたけれど、もう認めることしかできない。



「……不真面目な私は、嫌い?」


「……え?」



素直になれないことばっかりの私だけれど、今ならちょっとだけ素直になれる気がするよ。


だって、こんなにも心が叫んでる。




「私は、すき。
佐伯くんの真面目なとこも全部」



佐伯くんのことが、大好きで大好きで、仕方がないんだって。


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