明日、あなたが目覚めたら


保健室はもう目の前。

だけど、私の言葉に佐伯くんはまたピタリと立ち止まって。


……というより、その場で固まって。



「さ、佐伯くん?」


「……それ、どういう意味でのすき?」


「え」



そ、そこまで言わせちゃう?

なんか改めて聞き返されると……その、恥ずかしいっていうか。


普段あんまり素直になんでも言えるようなキャラじゃないから、余計に!



「いや、あの、その……」


「……うん」



……恋愛対象としてすきです、って言うの?

それで?
そこから、どうするの?


つ、付き合ってください、とか……?


いやいやっ、そんなの無理……‼

ふられちゃうに決まってるし、そんなつもりで言ったわけじゃないんだもん!


あれは、つい言っちゃったっていうか……!



「……あの、やっぱり聞かなかったことに……」


「えっ」


「ほ、保健室! 目の前だし! もう私、大丈夫だからっ‼」


「ちょっ」


「じゃあね、佐伯く……わっ⁉」


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