明日、あなたが目覚めたら
まあ確かに……3年間って言葉にすると、結構長い期間のように聞こえるかもしれない。
だって、中学2年のちょうどこの時期くらいから付き合っていたわけだし。
でも、私はそんなに長く付き合っているように感じていないんだけどなあ……。
「で、その彼は?」
「え、なにが?」
あまりにも唐突な麻衣子の質問に私は首を傾げた。
「だーかーらっ‼
そんなに長く付き合っている彼は、いったいどこのだれなの?」
「え、この学年の……」
そこまで口にしてハッとする。
ここでいったいどのくらい麻衣子と喋っていただろう。
恐る恐る時計に目を向ける。
「…………」
クラリ。目眩がしたような気がした。
ただでさえ、私のクラスは他よりもずいぶん終礼が遅いっていうのに……。
私のバカ!
のんびりおしゃべりなんてしてる場合じゃないよ!
「ごめんっ、私もう帰るねっ‼
この話は、また明日する!」
「え、ちょっ……‼ 千沙ちゃん⁉」
鞄を肩にかけて慌ただしく教室から飛び出る私に、麻衣子の声に応える暇はなかった。