明日、あなたが目覚めたら


「さーては、大好きな大好きな彼氏のことを考えてたなあーっ⁉」


「は、はあっ⁉」


「ほら、図星だ! 図星でしょーっ‼」


「う、うるさいなっ」



ハイそうです、なんて言えるわけないでしょっ‼

だいたい、なんで友梨はそういうことについてはそんなに鋭いのよ……。



「受験生の夏休みだってのに青春しちゃってたんだろうねえ、あんたたちは〜っ! このこの!」


「い、痛い! 痛いからっ‼」



友梨が私の背中を叩くたびに、バシンバシンと鋭い音がする。

これは手加減してないな……!
めちゃくちゃ痛いんですけどっ!



「な、夏休みはそんなに遊んでないからっ!」


「は〜? そんなこと言って、私が必死こいて勉強してるときにあんたたちはいちゃこらしてたんでしょーっ! 絶対! 絶対そう!」


「いちゃ……っ⁉ しっ、してないからっ」



夏休みはほんとに、全然遊んでないもん!

私たちにだって、そりゃあ受験生の自覚はあるんだから!


夏休みが終わって解放されたとか言ってる友梨よりは絶対に!

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