明日、あなたが目覚めたら
「千沙はわかりにくいようで、わかりやすいよねえ」
「はあっ? なにそれ」
「今日一緒に帰れなくてさみしい?」
「……別にさみしくなんてないけど」
にこにこしながら私を覗き込む智に、うっと一瞬言葉に詰まる。
……さみしくないなんて、ウソだけど。
ほんとはすごくさみしいけど。
でも照れ臭くてそんなの言えるわけないじゃん!
「出た、ツンデレ」
「違うっていつも言ってるじゃん……」
「あ、まあ確かにツンデレってよりは、クーデレって感じ?」
クーデレって……なんだそれ。
完全に楽しんでるよ、これ。
「……はあ、もうなんでもいい」
ゲンナリしながらそう言うと、智はクスクス笑った。
付き合いはじめて、みんなが知らないような智の一面をたくさん知った。
私だけが知っている……かは、わからないけれど。