明日、あなたが目覚めたら


「なあーに言ってんの、そんなの決まってるじゃん!

受験だよ、受験!」



「ねー?」と頷いて、さも当たり前みたいに言う友だちふたり。

だけど、私は首傾げる。



……受験?

受験、だから、なに?



「どういう意味? なんで受験がカップルのうまくいかない原因になるわけ?」


「はあ〜⁉ ほんとになに言ってるの、千沙! 疎すぎ!」


「まあまあ、千沙にはあんまり関係ないことだからなんじゃん?」



けらけら笑いながら言う友だちに、「あ〜なるほどね」ともう一人もニヤリと笑みを浮かべた。


な、なによ……?



「千沙たちはラブラブだしねえ〜!
それに、なんたって “あの” 佐伯くんが彼氏だし?」



まったく意味のわからない私の隣りで、ふたりは勝手に、うんうん、と納得したように頷く。


そして、ビシィッと私を指さして言う。



「いい、千沙⁉ よーく聞きなさいっ‼」



……すごい剣幕。


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