明日、あなたが目覚めたら



「あのね、受験なんてほとんどの受験生にとっちゃ日々がストレスストレスストレスなの!」


「しかも勉強地獄で、彼氏彼女とイチャイチャする時間だって限られるわけ!」


「はあ」



……ふたりとも、相当キテるんだな。受験勉強。



「じゃあ、どうなるかわかる⁉」


「……ええ?」


「わからないの⁉ ここまで言って⁉」


「……恋人に会える時間が少なくてさみしい、とか?」


「それだけだったらまだ可愛いもんよ‼」



ええ? そうなの?
今のけっこう自信あったんだけどなあ。

ていうか、ふたりの迫力がすごすぎて。


……と、思った矢先。

しゅん、と一人が静かになった。



「ど、どうしたの?」


「……られた、の……」


「え?」


「フられたのぉ〜っ‼」


「えっ、ちょ」



うわあーん、と泣き出したその子に私はただ戸惑うことしかできない。



「受験なんて最悪よお〜……」


「ま、まって、落ち着こう、ね?」



もう一人はあちゃ〜とその子を見つめながらも、よしよしと優しくその背中を撫でている。

< 62 / 166 >

この作品をシェア

pagetop