明日、あなたが目覚めたら



そして、思い出す。

そういえば最近、この子も彼氏と別れたって言っていたっけ、と。



「さみ、しくてねっ……」


「うん」


「でも、会ったら会ったでお互いなんかイライラして、て……っ」


「……うん」


「八つ当たりされるしっ、きっと、わたしも……っ、知らないうちにしちゃってたと思う、の……」


「うん、そっか」


「それで、それで……」



お互い別れようってなったの。

嗚咽まじりに呟かれたそれは、とても悲しそうで。


わたしは、そっか、としか言えなかった。



「ごめんねえ、千沙〜っ‼
急に泣いたりして、うう〜っ」


「いや、全然大丈夫だから」


「ありが、とう〜……!
でも、きっと千沙たちは大丈夫だね‼ 羨ましいなあ〜……」


「え?」



さっきも言ったでしょ、とその子が涙を拭って言う。



「千沙たちはラブラブだし、なによりも相手は “あの” 佐伯くんだもん」


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