明日、あなたが目覚めたら
.


次の日、学校へ行くと智の様子が少しだけおかしかった。


何が、とは言えないけれど。

絶対に何かが、変。


一見いつも通りのように見えるんだけど、違うんだ。


それに、いつもなら遅くても寝る前には返ってくるLINEも、昨日は一度も返ってこなかった。

朝起きて、確認しても返事はなかったし……。



……どうしたんだろう、智。

今までこんなことってなかった。



「だーいじょうぶだって! 私にはいつもと同じようにしか見えないよ?

それに、LINE返せないときだってたまにはあるよ」



友梨が「考えすぎ!」と笑う。


……そう、かなあ?

私の考えすぎ?



「そうだと、いいな」




.


お昼休み。

授業の終わりを告げるチャイムが鳴った瞬間、私は勢いよく教室を飛び出した。



友梨には考えすぎって言われたけれど、やっぱり何かあったような気がしてならない。

授業中だって、そのせいでずっとモヤモヤしていた。


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