明日、あなたが目覚めたら
ああ、もう……!
去年は隣のクラスだったっていうのに、今年は1組と6組という見事な離れ具合だから面倒だ……!
隣のクラスならもう少し、学校で会える機会が増えるはずなのに。
「ねえ、智呼んでくれない?」
入り口の近くにいた6組の子を捕まえて、窓際に座る智を呼び出してもらう。
智はその子に声をかけられると、こちらを振り向いてにこりと微笑んだ。
「どうしたの、千沙? 珍しい」
私のところまで来てそう言った智は、いつも通りに見えて、やっぱり何かが違う。
「智、昨日なにかあった?」
「……え」
単刀直入に言った私に、智が目を見開く。
そして、しばらくの沈黙。
「…………」
「…………」
何かあったなら頼ってよ、智……!
「ふはっ」
ぎゅっと拳をにぎりしめた私を見て、智はなぜか笑って。
ぽんぽんと頭を軽く撫でた。
「LINE返せなかったから心配したんだ?
ごめんごめん、昨日疲れててすぐ寝ちゃってさ」