明日、あなたが目覚めたら
喜んで目を覚ます、かあ……。
そんなこと絶対にいだろうけど、でも、早く目を覚ましてくれたら嬉しいな。
「智、千沙ちゃんが来てくれたわよー?」
智のお母さんが、まるで智が起きているみたいに扉を開ける。
だけど、やっぱり智は起きていなかったようで、「残念、起きてなかった」と言いながら私を中へと促してくれた。
「……っ」
入って、想像以上にひどいその姿を目にした私は言葉を失った。
真っ白なベッドに横になる彼。
包帯。呼吸器。管。
頭から足の先まで、全身にいろんなものをつけられたその姿が、あまりにも痛々しくて。
近づくと、体には大きな怪我以外にも、たくさんの小さな傷やアザがあって、事故の衝撃を物語っていた。
「……智」
「ひどいでしょう?
まだ目を覚まさない方がこの子にとって幸せな気さえしてくるわ」
「……でも、大丈夫なんですよね?
智はまた以前のように生活できるんですよね?」