明日、あなたが目覚めたら



大丈夫だと、看護師さんには聞いていた。

だけどこの姿を見たら、そんなことを忘れるくらい不安になった。


智は本当に、また元の生活に戻れるの……? 大丈夫なの……?



「ええ、大丈夫。 ちゃんと戻れるわ。
当分の間はリハビリ生活になるだろうけれど」


「そう、ですよね……!
すみません、変なこと聞いちゃって……」


「でもね、千沙ちゃん」



急に低くなったその声に、私はゆっくりと視線をそちらに向けた。


……ああ、見なければよかった、と後悔しながら。




「今まで通りにスポーツを……

バスケをすることは、できないだろうって」




そんな泣きそうな顔。

嫌でも、よくない知らせだって、わかっちゃうじゃないですか。


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