明日、あなたが目覚めたら


なんかもう、この人とまともに話をしようとしたらすっごく体力をつかう。


面倒くさい。やっかい。

そんな言葉がぴったりだ。



「はあ〜、笑った笑った」


「何がそんなにおもしろいんですかね」


「あ、ご機嫌ななめ?」


「おかげさまで」


「あちゃー、ごめんね。 俺の顔見て、元気出して?」


「いい加減にしないと顔面潰しますよ?」



ぐっと拳を握ってみせると、真波先輩は「あはは、ごめんごめん」と悪びれもなく謝った。

……ほんとに殴り飛ばしたい。



「まあ、でも俺の顔すきでしょ?」


「べつに嫌いではないです、その顔に罪はありません」



問題があるのはあなたの性格です。

そのちゃらんぽらん、どうにかならないんですか。



「あー、なんだっけ?

彼氏くんに似てるんだっけ、俺の顔」



その言葉に一瞬ピシリとと体が固まる。



「……似てません」



なんで覚えてるの、そんなこと。




「似てるのは、それ」


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