明日、あなたが目覚めたら



ぎこちなく微笑んで、真波先輩の左目尻を指さす。


智にも真波先輩にも、左目尻の下に泣きぼくろがある。

まったく似ていない二人だけど、色気をひきたたせるようなそれは、二人ともまったく同じで。



「あ。 あと、私のことクーデレなんて意味のわかんないこと言うのも一緒ですよ。

智と、真波先輩だけ」



だから時々、思うんだ。


似ていない。
全然似ていない二人だけど。

どこか、似ていると思わせられる時がある。



「顔はぜっんぜん、似てません。 私の彼氏のほうが断然かっこいいですから」


「ふうん……俺もけっこうモテるんだけどなあ」


「知ってます、遊びまくってますもんね」


「ん、仲良くしてるだけだよ?」



……胡散臭い笑顔。

まあ、興味ないけど。


本当に、なんでこんなのと智が似てると思うんだかな……。



「……で? 真波先輩はまさか本当に私のストーキングしにきたわけじゃないですよね? なんでここにいるんですか?」



尋ねると、くくっとまた笑って。

……この人の笑うツボは本当によくわからない。


< 99 / 166 >

この作品をシェア

pagetop