明日、あなたが目覚めたら
ぎこちなく微笑んで、真波先輩の左目尻を指さす。
智にも真波先輩にも、左目尻の下に泣きぼくろがある。
まったく似ていない二人だけど、色気をひきたたせるようなそれは、二人ともまったく同じで。
「あ。 あと、私のことクーデレなんて意味のわかんないこと言うのも一緒ですよ。
智と、真波先輩だけ」
だから時々、思うんだ。
似ていない。
全然似ていない二人だけど。
どこか、似ていると思わせられる時がある。
「顔はぜっんぜん、似てません。 私の彼氏のほうが断然かっこいいですから」
「ふうん……俺もけっこうモテるんだけどなあ」
「知ってます、遊びまくってますもんね」
「ん、仲良くしてるだけだよ?」
……胡散臭い笑顔。
まあ、興味ないけど。
本当に、なんでこんなのと智が似てると思うんだかな……。
「……で? 真波先輩はまさか本当に私のストーキングしにきたわけじゃないですよね? なんでここにいるんですか?」
尋ねると、くくっとまた笑って。
……この人の笑うツボは本当によくわからない。