夢旅
ルクは、

辛い表情をしながら

続きを言った。


真実を言うのが、

俺たちに良いことだということも

悟ったのだろう……。


「魔法を使うものは、
自分がどれだけ使えば
危険かわかります……
それに………」


ルクがそこで言葉を止めた……。


真実を言うべきだ

そう分かっていても、

言えば俺たちがどんな反応を

とるかわかりきっている……。


ルクは、

本当に強くて優しい人だった………


続きを言った後の

俺たちの反応が見たくなかったのだろう……


それでもルクは、

心を押し殺して続きを話した……。


「魔法を使いすぎれば、
自分がどうなるか……
魔法を使うものは、
それもすべて知っています……。」


ルクは唇をかみしめていた……。


ルクの言葉が、

頭に入ってきて理解するたびに

俺の目に涙がたまってくる。


ユイは………


ユイは全部わかってて………


それでも無理して魔法を………


カルもユイも……

みんな優しすぎるんだよ………


人のために、

命まで差し出せるなんて………



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