夢旅
ノイは床に倒れた。


「何するんですか!?」


ノイは体を起こし、


「いや……
感激のあまり、つい………」


「はぁ~………」


後ろでカルとコウが

大きなため息をついた。


「ノイのバカさには参るな……」


「ルクは飛びついても
何もなかったのに………
俺には顔面に蹴りがとんできたよ………
これが王女様のすることかよ」


「反省してないみたいですね!!」


「わあぁ~!!
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!!」


ノイは必死に謝った。



そんな2人のやりとりを見て、

ルクが笑いだした。


そして、

カルとコウも笑い出し

俺とユイもつられて笑った。


病室の中で、

5人が笑った。



あぁ……


これだ……


俺が夢にまで見た光景は………


やっと5人がそろった………


5人で笑えた………



俺たちの旅は、

ここから始まるんだな……


そう実感した。


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