夢旅
「痛ってえ~!!」



あまりに派手に転んだため、

まわりの視線が俺に集中し、

かなり恥ずかしい思いをした。


「超だせ~…」


立ち上がって足元を見た。



俺がつまづいたのは、

この小さな緑色の

綺麗な石ころだった。




前を見ても、

もうカルは行ってしまったみたいだった。



完全にはぐれてしまった……。



「こいつのせいで
カルとはぐれちまったし!」



俺は石を睨みつけ、

思い切り投げようとしたが

何故かそれができなかった…。



そして何故かはわからないが、

無意識にその石を

ポケットにしまっていた。



俺は人混みを掻き分けてカルを捜した。




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