夢旅
俯いていて顔は見えなかったが、


こぼれ落ちた涙だけは

しっかりと見えた。



「おい!オレンジ坊主!
その子は俺らが先に見つけたんだ。」



金髪の人の一人が

俺の腕を掴んで叫んできた。


黙って掴まれた腕を

見つめていた…。



「…」



なるほど。

やっと状況が理解できた。



俺は今、

連れていかれそうになっている少女を

助けるために、

金髪の男たち数人を

敵にまわしているの状態なのか。



なら…



「今なら許してあげるよ?
だから今すぐに俺の前から立ち去れ。」



俺は金髪の男たちを

睨みつけそう言った。



< 6 / 215 >

この作品をシェア

pagetop