夢旅
……カル…………。


待っててね………。


必ず……


必ず助けるから。



話に夢中になって

気付かなかったけど、

かなり話しこんでいたみたいだ……。




いつの間にかあたりは

暗くなっていた。



子供たちはみんな家に帰っていって

とても静かで、


空にはたくさんの星と、

大きな月が輝いていた。



「私も、そんなこと経験してみたかったな……」


ユイが俺の話を聞いて

そう呟いた。



「俺の話聞いてて本当にそう思った!?
結局、最後は失敗ばっかりだし……」



「そんなことないよ。
ノイさんが経験してきたことは、
私には夢みたいな話で……。
それに……。」



ユイはうつむくと

言葉を途中で切って黙ってしまった……。


俺はたずねることもせずに、

だまってユイを見つめた。



「…………」


しばらく沈黙が続いた……。




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