夢旅
「……それに…………」


ユイは続きを言おうとしたが、

そこから先をなかなか言えずにいた。



ユイが肩をふるわせて

うつむいている……。


俺はユイの力にやってやることもできない……。


ふるえるユイを

安心させてやることもできない……。


その時、

ユイの頬に一滴の滴が

流れているように見えた……。


暗かったから、

気のせいなのかもしれないけど……



でも………


本当にそう見えた……。



「大丈夫だよ……
俺はここにいる………」



俺はユイの肩に、

手をのせた……。



ユイの方のふるえが

ほんの少しだけ小さくなった気がした……。



ユイは顔をあげて、

俺の目を見つめた……。


だから俺もユイの目を

見つめた。



ユイの頬には、

滴が流れていた………。




ユイの顔は、

すごく悲しい顔をしていた………。




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