夢旅
俺は銀髪の少女の腕をしっかりとつかみ

夢中で走った。




銀髪の少女は俺に引っ張られ、

必死に足を動かしついてくるが、

そうとうきつそうだ。




一刻も早く逃げ切り、

休ませてあげないと。


あたりを見回しても良い逃げ場など

見つからない…




俺は普段使わない頭を総動員して、

最善策を考えた。


俺は前方にいる子供の手から

煙玉を抜き取り、

後ろに向かって投げた。




人混みが一瞬にして
真っ白の煙に包まれた。




「どこのイタズラ坊主だ!!」



人の叫ぶ声が聞こえるが

振り返ることもせず、

すぐに近くの細い脇道に逃げ込んだ。



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