続★キケンだらけの課外授業~私の周りは不良がいっぱい!?~
「てか…泣いてるのか?」




ゴリさんはあたしの目が赤くなっていることに気付く。




「まさか伊勢谷陣のことで泣いてんのか?」


「え?いや、ちが」


「あいつ昨日、他の女とイチャイチャしてたぞ。赤いセーラー服の……」


「え?」


「未唯という女がいながら……それでも俺はお前が幸せならと思ってたんだが」



ゴリさんはいきなりあたしの肩をガシッと力強く掴む。





「ひゃあ!?」


「やっぱりおめぇ泣いてるじゃねーか。あんな男のせいで」


「ゴッ、ゴリさん?」


「そうと分かれば、もう……力づくでも俺の女にする」





ゴリさんはそこまで言うと
無理やりあたしをギュッと抱きしめる。






「きゃあぁ!は、離してください!!」

「俺ならお前だけを愛してやれる!」





――ガブッッ!


両腕ごと抱きしめられ反抗できない私は
ゴリさんの毛深い腕に思いっきり噛みつく。



「痛ッ!あ、未唯!!」



ゴリさんの腕の力が弱まった隙に
あたしは全力でその場から逃げだす。




「ま…待て!待ってくれ!」


「いやぁぁぁぁぁぁあ!!!!」


「逃げるな!話し合おう!」


「誰か助けてぇぇ!!」




あたしは公園を出ると、そのすぐ脇にある細い裏道に逃げ込んだ。




怖い……!

陣以外の男の人、怖いよーーーー!!(泣)






「そっちは行っちゃいけねぇ!」





後ろでゴリさんのそんな声が聞こえた。

だけどあたしは構わず走り続けた。


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