心さん、そろそろ俺にしませんか?
それに今日日曜日だから、学校ねぇし。
「いってきます」
そして、弁当作りが無かったため、いつもより早く家を出た。朝日を浴びながら試合会場へ向かった。
「く~!緊張する~」
会場に着きみんなと合流。俺の目の前には、剣道着に身を包みながら自分の頬をバシバシ叩くイチがいた。
「負けんなよ、お前」
「負けた奴に言われたくないね~」
なんとなく、ムカつく。
「じゃあ勝ってみろよ」
「楽しみにしてろ~!」
売り言葉に買い言葉。だけど、イチが緊張しているのは目に見えて分かっていた。だから言ってったさ。
「ストーカー並に凝視してるから」
イチの表情が凍り付いた。俺は鼻で笑って、2階の観客席へ足を進めた。
それでもアイツ、やる時はやるからな。