心さん、そろそろ俺にしませんか?
「昨日負けました」
「え?お前負けたのか!?」
「はい。だから今日は応援で……」
「バカヤロー!」
同時に再び頭を軽く叩かれた。あの、何気に痛いです。
「なーにココで油売ってんだよ!早く体育館に入れよっ」
「でも、今試合終わって……」
「自分達の試合が終わっても、他のチームの試合は終わってないだろ?なんで見ねぇんだ!」
そしてココでさらにもう一発、叩かれた。
「負けちまったもんは仕方ねぇ。でもそのままにすんな。次に活かせ!」
心さんの言葉には重みがある。好きな人の言葉だからこそ、そうなのかもしれないけど。
「……はい」
「よし!行け!」
まるで心さんのペットみたいに頷いてしまう俺。
「あ、でもちょっと待て」
そう言った心さんが、右手を俺に伸ばしてきた。
え?な、何されるんすか!?