心さん、そろそろ俺にしませんか?
助けられると好感度増します。



「原田、約束を忘れてはいないだろうな」


「はい」


「よし、正座しろ」


翌日の放課後、俺は練習前に監督から呼び出された。もちろん、説教のことを俺も監督も忘れてはいなかった。


正座をしながら説教を聞くのは、とても容易いことではない。それに今は10月。少しずつ寒くなってきているため、床は冷たい。


「おい、聞いてんのか」


それてそれから2時間、ずっと正座のまま監督の顔と向かい合っていたのだった。


「……疲れた」


帰り道、足の痺れを感じながら家路へ向かう。


「よっぽど怒ってたんだな、監督」


隣を歩くイチも苦笑して俺を見る。


「明日から1ヶ月、ストレッチしてからの1時間は正座だって?お前だけ笑えるな!」


「うるせぇ」


もう二度と、自分勝手なことするもんか。こんなことは懲り懲りだ。


「まぁ、これくらい痛い目見ろってことなんだろうな~」


前方を歩く同じ制服を着た生徒を見ながら、秋の夕空を見上げた。



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