心さん、そろそろ俺にしませんか?



「……い、い、いらっしゃい、ませ」


そして文化祭1日目。俺はクラスの喫茶店で接客をさせられていた。


「あ、あの……」


「メニューはこちらです」


「す、すみませんでしたぁっ!」


2人組の女にメニュー表を差し出すと、何故か逃げられてしまった。


「はい、これで5回目~。やっぱりその顔がいけないな~」


そう言いながら俺の隣に来るイチ。顔がいけない?これだけはどうにも出来ないんだけど?


「なんていうか、怖い!笑顔を作ろうとするとさらに怖いからな~。俺なんて誰も逃がしてないぜ?」


「自慢かよ」


「リーダー!優生どうすんの?このまま接客させたら、客来ないと思うよ~?」


「そうだな。悪い、原田。お前は裏方に回ってくれ!」


そんなこんなで、俺は接客をクビになった。怖いとか、何気にショックだし。


「おー原田じゃん。やっぱりお前はココか!」


クラスの奴等にそう言われても無視。黙々とコップにジュースを注いだ。



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